石切り場(丸山富之)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 「モネ それからの100年」展の会期中、松本陽子氏を囲んでお話を聞く会(以下、囲む会)が催された。囲む会は名古屋市美術館協力会の会員向けの催しで、会食しながら、出展作家の方からあれこれとお話を聞くことができ、とても好評だ。
 松本陽子氏の囲む会には、hino galleryのスタッフも参加していて、ギャラリーの夏以降の展示予定や最寄駅からの行き方を聞く機会があった。そんな経緯があって、今回、ギャラリーを訪問してみた。

石切り場 前室にて

石切り場 前室にて


 石切り場(丸山富之、hino gallery)を見た。彫刻だった。前室には石材の重量感と表面のザラザラ感が強く意識される作品が置かれていた。後室には上部に突起の付いた、大きな文鎮のような作品が並んでいた。突起の中は深くえぐられ、のぞきこむと石材の裏側(内側)までつながっているようだ。
石切り場 後室にて

石切り場 後室にて


 スタッフと話をしているうちに、えぐられた突起が石に開けられた口に見えてきた。見てのとおり、作品の形態には生物を連想させる要素はないが、スポーツ中継で見る水泳の息継ぎを連想した。
 隣にいるスタッフは、石の産地や制作のこだわり、重量のある作品ならではの展示の苦労話を優しく教えてくれるのだが、水面に浮きあがり、勢いよく突起から空気を吸い込むイメージが作品に重なる。

 お昼近くになり、冷房のおかげで汗も引き、ギャラリーを退去した。駅に向かいながら、ぼんやりと息継ぎする彫刻のイメージが暗示するものについて考えた。答えは意外と身近にありそうだ。

展覧会は9月29日まで。

http://www.hinogallery.com/2018/1901/

杉山 博之

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