展覧会みてある記 「博物館イキ!」

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

 名古屋博物館で開催中(6/10まで)の「博物館イキ!」(以下、「本展」)を見てきました。チラシには「博物館行き。一般的には古びて使われなくなった物に対する言葉のようです。ですが、実は博物館に来た物たちは、とてもイキイキとしています。」という文章。「イキ!」は、「博物館行き」と「イキイキ」を掛けた言葉のようですね。国指定重要文化財3点、名古屋市指定文化財2点、重要美術品2点を始めとする名古屋市博物館収蔵品が展示されていました。
◆森川コレクション
 会場に入ると、茶人の森川如春庵(本名、勘一郎)から寄贈された「森川コレクション」のうち、国指定重要文化財・本阿弥光悦作《黒楽茶碗 銘「時雨」》(チラシに図版)の展示があり、外にも元時代の伝任月山筆《稲之図》、狩野常信筆《稲之図模本》(江戸時代の模写)や茶道具、短冊などが展示されていました。
◆国指定重要文化財・市指定文化財・重要美術品は
 《黒楽茶碗 銘「時雨」》以外の国指定重要文化財は、鎌倉時代後期の古瀬戸《魚波文瓶子》と鎌倉時代の《太刀 銘「行平作」》。市指定文化財は、大須二子山古墳下層出土の《杯身(つきみ)》と「よみがえれ文化財」の寄附金で平成25年に修復された《伊勢参宮図屏風》。重要美術品は、瑞穂区師長町出土の《鳥形紐付脚付短頸壺》と千載和歌集の断簡である藤原俊成《日野切》でした。いずれも「お宝」です。
◆ほかに目を惹いたものは
《黒楽茶碗 銘「時雨」》と並んで円空作《十一面観音菩薩像》が展示されています。全22テーマ中、目を惹いたものは富田重助家資料(東朋テクノロジー株式会社の前身・紅葉屋の当主・富田重助家の江戸時代から明治時代までの帳簿など)の外、横井庄一生活資料(太平洋戦争終結後28年目にグアム島で発見された残留日本兵・横井庄一さんのジャングル生活を支えた衣服や背負袋、食糧貯蔵籠など)、「名古屋東照宮祭礼図巻」を読む(森玉僊画《東照宮祭礼図巻》など)、伊勢湾台風資料(当時の写真など)。「よみがえれ文化財」のテーマでは、寄附金で修復された銀箔の屏風・中林竹洞《草花図屏風》のお披露目がありました。
◆最後に
 展示室を1室だけ使った小規模な展覧会ですが、まとまった形で名古屋市博物館の収蔵品を見ることができます。
名古屋市博物館の帰り、山田餅本店に寄り道して、こしあんの柏餅(白い餅)と、つぶあんの柏餅(ピンク色の餅)を買って帰りました。絶品でしたね。
Ron.

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