ヨコハマトリエンナーレ2017(その3)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 皆さんは、岐阜県美術館で、この春に開催された「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」をご覧になっただろうか。臨時のミュージアムショップの前に、巨大なふいごを使ったリコーダーの自動演奏装置があったこと、ロビーに響き渡るリコーダーの音色を思い出していただけるだろうか。

 BankARTの展示室で組立て作業中の作品に見覚えがあって、まさかと思いながら聞いてみると、なんと「清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017」に出品されていた「大霊廟」(安野太郎氏)と同型だった。しばらくして、作品がおおむね組みあがり、試奏を一緒に聞かせてもらった。岐阜県美の作品では電気モーターでふいごに空気を送っていたが、BankARTの作品では、人力でふいごを踏むので、演奏時間によっては、かなりの重労働になりそうだ。

 安野氏らと今回のヨコハマトリエンナーレの作品について話していると、ふと小沢剛氏の作品の話になり、そこで教えてもらったのだが、「帰ってきたxx」シリーズのコーラスアレンジは安野氏が担当しているとか。それを知らずに「帰ってきたxx」を見ていたときは、軽妙で楽しそうな音楽だなーと思って聞いていたが、そのバックボーンが「大霊廟」と教えられると、にわかに人の気配が薄れて行くように感じた。

BankART_大霊廟Ⅱ

BankART_大霊廟Ⅱ


 「大霊廟」については、もう一つエピソードが。岐阜県美術館の展示では、展覧会名に「CUBE」とあるように、作品サイズは4.8m(幅)×4.8m(奥行)×H3.6m(高さ)と決められていたが、「大霊廟」だけは天井を突き抜けていた。厳密にいえば、規定違反なのだろうが、こんなにおもしろい作品が失格にならなくてよかったと思う。
杉山 博之

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