さいたまトリエンナーレ2016(大宮編)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

《たまご から から》(西尾路子)

240の棺/Arigatou Sayounara

240の棺 行列、行列、行列、行列、


 市民会館おおみやで見た《たまご から から》(西尾路子)は、楽しいけれど、考えさせられる作品だった。山盛りの卵(中身を食べた後の空の殻)の入った大きな鍋、配膳台、調理台の上に並べられた小さな木箱。矢印のようにも、子供靴のようにも見えるその木箱は、よく見ると、まるで棺のようだ。全部で240組の木箱には連番がつけられ、厨房出入口右側のNo.001から、ぐるぐると厨房をめぐって厨房出入口左側のNo.240まで続く。
キャプションには「240の棺/Arigatou Sayounara」とあった。

未来食堂にて たまごかけごはん

未来食堂にて たまごかけごはん


この作品を見て真っ先に思い出したのが、前日、神保町の未来食堂で食べた「たまごかけごはん」のことだった。この日は、店主の小林せかい氏がウーマン・オブ・ザ・イヤー2017に選ばれ、その受賞式直後とあって、ランチメニューが売り切れており、ご厚意で出していただいたメニューが「たまごかけごはん」だったというわけ。2重の意味で印象深い作品と食事だった。

未来食堂にて 今日は早じまい

未来食堂にて 今日は早じまい

 さて、今回参加したガイドトークは、「あいちトリエンナーレ」(以下、あいトリ)のキュレータートークに当たるもので、いわゆるレクチャー型の作品解説だった。このトークの長所は、作品だけでなく、作家のこと、制作された時代背景等についても客観的で、豊富な情報を得られることだろう。例えるなら、有名シェフのコース料理を楽しむようなものだろうか。
一方、あいトリでガイドボランティアが実施していたのは、いわゆる対話型トークだった。このトークの長所は、観客とガイドが一緒に作品を見ながら、対等な立場で作品の感想を話しあい、共感したり、意見の違いに気づいたりできることだろう。日によって参加する観客も変わるし、ガイドも変わるのでトークの内容も変化する。例えるなら、居酒屋で出される旬の食材を使った小皿料理のようなものだろうか。
 作品解説として、どちらか一方のトークがあればいいということではなく、観客からすれば両方あったほうがきっと楽しい。「おもてなし」の一環として、次回のさいたまトリエンナーレ2019では、ぜひボランティアのトークを聞いてみたい。

杉山 博之

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