さいたまトリエンナーレ2016(浦和編)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

「あいちトリエンナーレ」(以下、あいトリ)のボランティアメンバーと「さいたまトリエンナーレ」(以下、さいトリ)を見てきた。
目的はディレクターの芹沢高志氏のガイドツアーを体験することと、さいトリのボランティアメンバーと情報交換すること。
 さいトリは名前のとおり、さいたま市で3年ごとに開催される国際芸術祭で、今年が初回、テーマは「未来の発見!」。会場はさいたま市内(浦和、大宮、岩槻)に分散している。

 今回のツアーも2年前の「ヨコハマトリエンナーレ」(以下、ヨコトリ)ツアー同様、現地集合・現地解散だった。加えて、直前になっても誰が参加するのか不明というミステリーツアー企画だった。出発の前日、メールで「明日はよろしく。合流できますように!」という短文が届き、本当に大丈夫?と心配になったことを思い出す。

以下、会場ごとに気になった作品をレポートする。

《アンタイトルド・ドローイング・プロジェクト》(鈴木桃子)

アンタイトルド・ドローイング・プロジェクト

アンタイトルド・ドローイング・プロジェクト


 この作品は、真っ白に塗られた室内の壁面に直接シャープペンシルでドローイングされたもの。さいトリ期間中、作家が一人で延々と線を描き続け、天井と床を除く壁面には細胞のような模様がびっしりと描きこまれている。しかし、この作品の面白さは、一見シンメトリーで複雑な線描でもなければ、そのスケール感でもない。床を見ると大量の消しゴムのカスが散乱していて、これは観客が消しゴムで線描をこすった時のカスらしい。
観客の皆さんの手には消しゴム

観客の皆さんの手には消しゴム


つまり、この作品には作家=描く、観客=それを消すという、観客参加の仕掛けがある。消しゴムで消すと言っても、線描の痕跡はかなりはっきりと残るので、余白と消え残った線描とまだ消されていない線描を鑑賞することがこの作品の作法らしい。
 作品に込められたメッセージは「叩きつぶされても、立ち上がれ」。技法はシンプルだが、エネルギーのある作品だった。ちなみに、この作家は持ち運びのできる紙や板などには描かないそうなので、気になった人は現地に行って見るしかない。
期間は2016年12月11日まで。

杉山 博之

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