名古屋市博物館 「アンコール・ワットへのみち」ミニツアー

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor

名古屋市博物館で開幕した「アンコール・ワットへのみち インドシナに咲く神々の楽園」(以下「本展」といいます。)のミニツアーに参加しました。参加者は25名。1階の展示説明室に集合して、藤井学芸員(以下「藤井さん」といいます)の解説を聴いた後は自由観覧です。

レクチャの様子

レクチャの様子


◆「アンコール・ワットへのみち」とは?
 藤井さんの解説、冒頭は「本展のテーマは、6世紀から13世紀までのカンボジアの石像彫刻の様式の変化。アンコール・ワット遺跡の石像が彫刻美術の集大成・頂点ということから『アンコール・ワットへのみち』というネーミングになった。」という話でした。このほか、様式の変化についての説明や展示の目玉である三体の像の紹介などがありました。
◆目玉はアンコール朝の三体の像
目玉はいずれもアンコール朝の石像。第一は四つの顔と四本の腕を持つ創造神ブラーフマ(梵天)、第二は象の頭を持つガネーシャ(富と知恵の神、商人から人気)、第三は女神として造形したプラジュナーパーラミター(般若波羅蜜多菩薩=大乗仏教の教えによる)です。ところで、なぜ、ガネーシャは象の頭なのでしょうか。答えは、展示室の解説をご覧ください。残酷で悲しいお話です。
◆プレ・アンコール時代とアンコール時代の彫像の違いは微妙
展示室には「これでもか」というくらい石像がひしめき合っています。第1部がアンコール王朝以前(プレ・アンコール時代)の6~7世紀の扶南国(ふなんこく)と7~8世紀の真臘国(しんろうこく)の石像、第2部がアンコール・ワット様式を頂点とするアンコール時代の石像。第3部は、名古屋市博物館所蔵のブッダ頭部2点を含むアンコール周辺の彫像で、第1部、第2部とは全く違う展示物ばかりです。
第1部と第2部の多くは上半身裸の石像で、インド風の豊満な肉体が特徴です。しかし、様式の変化は微妙すぎて、作品の解説を読まないとよく分かりません。ヒンドゥー教、仏教、土着山岳信仰が混じりあっているとのことでしたが、左半身は女、右半身は男という両性具有の石像をはじめとして、めずらしい石像ばかり。「一見の価値あり」ですよ。
◆初めて見る「触地印のブッダ」
 第2部の終わり近くと第3部に「触地印のブッダ」の展示がありました。これは、釈迦が悟りを開いたあと悪魔が悟りの邪魔をしにやってきた際に、釈迦が指先を地面に触れると地神が現れて釈迦の悟りを証明し、これを見た悪魔が退散したという話に基づくそうです。この話は初めて知りました。解説には「タイにおける上座部系のブッダ」との記述。私が大乗仏教系の仏教徒だから知らなかったのかな?
◆スタンプラリーも
 会場入口に置いてある用紙に「アンコール・ワットへのみち」と「藤田嗣治展」のスタンプを押して応募箱に投函すると、抽選でプレゼントがもらえるようです。迷わずスタンプを押しました。「藤田嗣治展」には、この用紙を持って行きます。藤田展のスタンプを押したら名古屋市美の応募箱に投函し、プレゼントが届くよう祈るつもりです。「アンコール・ワットへのみち」は6月19日(日)まで。http://path-to-angkorwat.com で「アンコール王朝とアンコール遺跡群」の動画(10分37秒)を見ることができます。  Ron.
解説してくださった藤井康隆学芸員

解説してくださった藤井康隆学芸員

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