Raoul Dufy (回顧)展を見て

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor

 もう12月7日の日曜日までしかやってない展覧会のこと書いてどうなるのと言われそうだけど敢えて書きます。
 実は今日11月23日に見るのが初めてでなく2回目になるんだけど、ついでに言うと県美術館の企画にも携わった森学芸員の解説を聞くのも2回目だけど、新しい驚きがあります。1900年に描かれた「夕暮れ時のル・アーヴルの港」は夕暮れ時だから室内の照明の光を除き暗めなのは当然だとしても、初期のころの暗さが1906年の「トゥルヴィルのポスター」ではぐんと明るくなってくる。ただ図録ではその明るさは分らない。図録に関してはオフセット印刷の限界で記憶の呼び起こしぐらいにしてくださいとは言われるけど、気に入った展覧会ならば10倍ぐらいのお金出しても買いたいなと思う。
 印象派、フォーヴィズム、キュヴィズムの影響を受けながらもデュフィは彼の独自性を保っていく。次の章は木版画とテキスタイル・デザインで、木版画の方は白黒なので、図録でもその良さは十分に分かる。でもテキスタイルの方になると、こちらはカラーなので、私の不満に逆戻り。テキスタイルは島根県立石見美術館所蔵で、森英恵が島根県出身だからというのを小耳に挟んだ。服をモデルに着せた写真があるので、布がどのように使われたかはある程度参考にはなるが、これとの関係で言うと、先回はデュフィ展を見終わりコレクション展の方にそのまま行ったので見落としてしまったのだと思うが、デュフィ展出口の案内の前の小さい部屋に名古屋モード学園の生徒さんのデザイン画の入賞作品があって、これはなかなか面白かった。それと生地デザイン、デュフィでポール・ポワレデザインの実物コートドレスと、他のデザイナーの薔薇柄のドレスはおもしろかった。第3章は「様式の確立から装飾壁画の制作へ」で花瓶の絵付けからミニプランターみたいな室内庭園の作品、衝立のような家具、彼のデザインのタピスリーを張った椅子もある。第4章が評価の確立と画業の集大成で、音楽(家)へのオマージュもある。
 東京、大阪、そして名古屋と巡回してきているが、ここが最後なので、まだの人は是非、そして既に見られた方ももう一度お出かけください。
                                                         魚

森美樹学芸員の話に聞き入る会員たち

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