秋のツアー 山梨県立美術館へ

カテゴリ:アートツアー 投稿者:editor

2014_山梨県立美術館にて


今年はミレー生誕200年に当たることから、山梨県立美術館開館35周年記念の「ミレー展」を中心に秋のツアーが企画された。
山梨方面のツアーは2010年にも計画されたが、参加者が集まらず、中止。「山梨は鬼門」と危ぶまれたが、24名参加で実施となった。旅日記風にまとめてみよう。

8月23日(土)  薄曇り。天気予報では「東日本は不安定な天候」。土砂降りだと困るなあ。
午前8時15分  参加者の半分ぐらい集まったが、突然バケツをひっくり返したような雨。これでは、バスに乗るだけでびしょ濡れ。「途中で中止にならなければよいが」と、不安になる。
午前8時30分  雨がほぼ止み、傘なしでバスに乗れた。ひょっとしたら、今日はツイてるかも。

2014_山梨_お昼の釜めし


午後0時  諏訪湖が見えてきた。昼食の時間だ。おぎのやドライブインで「峠の釜めし」を食べる。釜めしは宮内庁御用達だった。売店ではヘボ(蜂の幼虫)やイナゴも売っていた。
午後1時  茅野市美術館「生誕100年 矢崎博信展」は名古屋市美の山田さんのお勧めで見学。名古屋市美で開催の「日本のシュルレアリスム展」では矢崎博信の作品を3点展示している。矢崎博信はトラック島沖で、29歳の若さで戦死。作品の数は限られる。才能を生かす道を戦争で閉ざされたのが、とても惜しい。隣のホールでは戦没者追悼式が開催されていた。

2014_茅野市美術館_ロビーの椅子はとてもカラフル

午後3時5分  山梨県立美術館「ミレー展」は会期終盤のため、観客多数。学芸員さんの話では、見どころは最初の妻ポーリーヌを描いた3枚の肖像画と、世界に5枚ある「種をまく人」のうちの3枚(うち1枚は常設展)。肖像画が多い。解説を読むと、初期の作品には、依頼者の気に入らず、買ってもらえなかったり、値段を下げられたものもあり、生活は苦しかったらしい。常設展にはミレーの「種をまく人」とともにバルビゾン派の画家の作品やオランダ・フランスの風景画が展示されている。特別展と常設展を合わせてひとつの展覧会、という感じだ。

2014_山梨県立美術館にて_ロビーでは


美術館2階の窓から眺める富士山も見ものだった。幸いにも、雲の切れ目から山頂のシルエットが見えた。何か得した気がするのが不思議だ。午後4時半を過ぎると、観客がまばらになったので、もう一度、展示室に戻った。美術館を貸切にした気分だ。
午後5時5分  雨が降り始めたが、何とかぬれずにバスに乗れた。涼しくて快適な一日だった。

夜  参加者数人と連れ立って、カボチャほうとうとワインで食事。ごちそうさまでした。

8月24日(日)  薄曇り。一人で舞鶴公園(甲府城跡:「鶴舞」ではない)まで散歩。天守閣跡から富士山を見る。笠雲がかかっていた。今日は八ケ岳の山裾にある美術館2館の見学だ。

2014_清春白樺美術館_ラ・リューシュ前にて


午前10時  北杜市の清春白樺美術館に到着。快晴。正に避暑地。清春白樺美術館は、武者小路実篤、志賀直哉など白樺派の作家が建設しようとして果たせなかった夢を親交のあった画商の吉井長三氏が実現したもの。廃校になった小学校の敷地にアトリエ、礼拝堂、茶室(藤森照信氏設計)、梅原龍三郎のアトリエ(移築)、食堂などが配置されている。ゆったりと流れる時間が楽しめた。食事後、オーナーの吉井長三氏の挨拶があった。話は面白かったが、出発は40分ほど遅れた。

2014_清春白樺美術館_レストランにて


午後2時  平山郁夫シルクロード美術館に到着。平山郁夫の描いたシルクロードの絵画とシルクロードの仏や出土品を展示している。印象的だったのはバーミヤンの大仏。破壊前と破壊後の絵画が展示されていた。シルクロード美術館は「日本で一番高いところを走る鉄道」として知られる小海線の甲斐小泉駅の隣にある。周りは別荘地だ。美術館の裏に回ると、柵を隔てて駅のプラットホームがあった。列車を待っている人が見える。美術館側にはラクダの置物がふたつ。参加者は、思い思いにラクダに乗って記念撮影。子供みたいだけど、とても楽しいひと時だった。

2014_平山郁夫シルクロード美術館にて

午後7時40分  名古屋駅着。途中、渋滞や土砂降りに遭遇したが、終わってみれば予定通り。
皆さん、お疲れ様でした。そして、企画してくれた松本さん、レクチャーしてくれた市美の山田さんに感謝します。天候にも恵まれました。
Ron.

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