アーモンドの花咲く頃

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

ゴッホ 「花咲くアーモンドの枝」

ゴッホ 「花咲くアーモンドの枝」

 アーモンドはバラ科サクラ属で、写真にあるように、サクラに良く似た美しい花を咲かせる。種類にもよるが一般にサクラよりも早く咲き、薄紅色をしている。先日NHK BSプレミアムで、シチリアのアーモンドの花盛りの番組(番組名「世界で一番美しい瞬間(とき)」)を放映していたので、観た方も多いだろう。ゴッホにはアーモンドの花を描いた作品が下記のように4点ある。この内4番目の「花咲くアーモンドの枝」が最も名高い。この絵は、フィンセントの弟テオが、兄の名前を貰って息子をフィンセントと名付けときに、お祝いに贈られたものだ。サン・レミで描かれたもので、画家フィンセントはその少し後に亡くなっている。このアーモンドの絵は、その後長くテオの家の居間に飾られていたそうだが、現在はゴッホ美術館の所蔵作品になっている。
東灘処理場のアーモンド並木

東灘処理場のアーモンド並木

 アーモンドは日本の気候でも屋外栽培が可能で、植物園に行くと観られることも多い。まとまって植えられている場所も、私が知っている限りでも二ヶ所ある。両方とも神戸市東灘区の埋め立て地で、ひとつは東洋ナッツ本社工場の庭、もうひとつは神戸市の下水処理場東灘処理場の北側だ。東洋ナッツでは、1980年頃から栽培されていて、毎年3月20日頃一週間ほど一般開放されている。東灘処理場の方は、淡路神戸地震の震災から復興した記念に、アーモンド並木が作られたものだ。こちらはいつでも観られるが、花が咲くのは3月末頃。先ごろ4月8日に訪れてみたら、まだ花を着けている木もあった。ソメイヨシノのようにクローンではないから、一斉に咲いて一斉に散ることはないし、遅咲きの種類ということもあって、運良く間に合った。灘の酒蔵が建ち並ぶ地域の南側、小磯良平美術館からもそれほど遠くない場所だ。ちなみに、シチリアでは1月末から2月頃に咲く。アーモンドナッツの生産が最も盛んなのはアメリカのカリフォルニア州だ。                                              
                                                      UN VAGABOND
アーモンドの花

アーモンドの花


フィンセント・ファン・ゴッホが描いたアーモンドの花の作品一覧
・「グラスに入れた花咲くアーモンドの枝」、アルル、1888年3月、ゴッホ美術館蔵
・「グラスに入れた花咲くアーモンドの枝と本」、アルル、1888年3月、個人蔵(日本)
・「花咲くアーモンドの木」、アルル、1888年4月、ゴッホ美術館蔵
・「花咲くアーモンドの枝」、サン・レミ、1890年2月、ゴッホ美術館蔵

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