東京遠征日記 2013 MAY その1

カテゴリ:ボギー鈴木 投稿者:editor

 ゴールデンウイークを利用して、東京の美術館を回って来ました。日時は5月1日と2日の1泊2日で、どれだけの美術館を回れるか。

 朝、4時に起床。豊橋発6時40分の新幹線ひかり号に乗り、いざ東京に。まずは上野を目指す。9時半開館の東京国立博物館の前に、開館1時間前には着く。え~。一人しか並んでない。やはり平日だからか。今から観る、「国宝大神社展」は、この間、「日曜美術館」で放送されたばかりだから、てっきり混むと思い一番先に来たのに。別に一番に来る必要はなかったなと、その時は軽く思った。そう、この予感は正しかった。来館の順番の選択ミスが、後に思わぬ悲劇をもたらすことになる。

「国宝大神社展」(~6月2日まで)は全国各地の神社から神像が大集合。仏像に比べて神像は普段は公開されていないことが多いので貴重な機会だ。やはり来て良かった。東京国立博物館は、平成館、本館、東洋館を観て次の、東京藝術大学美術館の「春の名品選 藝大コレクション展」へ。お目当ては、上村松園の「序の舞」だ。名古屋市美術館の「上村松園展」には残念ながら未出品なので、ここまで観に来たわけだ。会場はガラガラ。入館料は300円。本当にゴチソウサマと言わねばならない。その他に名品ぞろいだが、「序の舞」の向かって右には、鏑木清方の「一葉」が展示されていた。東の清方、西の松園。粋な演出だ。

 次は東京都美術館の「レオナルド・ダ・ヴィンチ展 天才の肖像」(~6月30日まで)を観る。目玉はレオナルドの油彩「音楽家の肖像」。その他、彼の直筆メモや素描などが展示されていた。彼の現存する油彩は少ないので、いたしかたない展示構成か。上野最後は、国立西洋美術館で「ラファエロ展」(~6月2日まで)。今年はルネサンスの三大巨匠が揃い踏みする稀有な年。「ミケランジェロ展」も楽しみだ。ラファエロは、聖母子の画家と呼ばれるそうだ。知らなかった。その代表作「大公の聖母」が今回の目玉。昼からの入館のわりには混んでないのは幸いであった。この時点で午後二時。今日の宿泊は、上野駅近くのビジネスホテル。チェックインの午後三時までには時間はあるが、図録の重さであまり遠くににも行きたくない。さてどうする?「 東京遠征日記 2013 MAY その2」に続く。

会員 ボギー鈴木

上村松園展ギャラリートーク

カテゴリ:mix,協力会ギャラリートーク 投稿者:members

上村松園展トーク_ポスター

上村松園展トーク_ポスター


4月28日午後5時から、協力会主催の上村松園展ギャラリートークが行われました。
初めに、講堂で保崎学芸員による、簡単なレクチャーを受けてから会場へ移動します。スライドを使用した保崎学芸員のレクチャーは、彼の優しい人柄と相まって、わかりやすくとても丁寧です。会場への期待がますます高まったころ、いよいよ入場です。
今回は参加者が80名を超す大人数になったので、深谷班と保崎班に分かれて見学していくことになりました。私は深谷班です。最初に地下へ降りて、第3展示室の素描と下絵を見学します。

上村松園展トーク_深谷班1

上村松園展トーク_深谷班1

入場する前に一度入口に集合して、深谷副館長から松園にまつわる非常に興味深いエピソードなどを聞かせていただきました。松園は下絵から筆で制作していたので、修正箇所の切り張りがとても多く、迫力があります。下絵の段階では、まだ表情なども生々しくて、制作当時の松園の心情などが垣間見える気がしました。その後一階の入り口から会場へ移動。すると、下絵とは全く違う松園のきらびやかな世界が広がっています。
「松園は、ただきれいなだけだ。」と批評されることもあるようです。私も、とにかく美しいというイメージだけで松園作品にふれていたように思います。けれど今回、松園の生き様や生活環境、社会的立場などのエピソードを織り交ぜて作品を鑑賞できたおかげで、凛として生きてきた上村松園という女性を知り、また新たな感動が生まれてきました。

深谷副館長の「無表情と言われる松園の美人像だが、じっと心を澄ませて見つめると非常に雄弁な目元をしている。気に入った作品の前で、一度じっくり時間をかけて見てほしい」という言葉が印象的でした。
今回の展覧会も大盛況で、会場はとてもにぎわっていますが、協力会のおかげでゆっくりじっくり作品を見て回ることができました。担当学芸員のギャラリートークは、裏話も含めてとても興味深く、協力会に入会していてほんとうによかったと心から思います。
(mix)

上村松園展トーク_深谷班2

上村松園展トーク_深谷班2