「青木野枝展」鑑賞ミニツアーに参加して

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor
ツリーのような作品

ツリーのような作品

12月9日の日曜日、豊田市美術館「青木野枝展」鑑賞ミニツアーに行ってきました。

初めてのツアー参加です。入り口から学芸員の方の案内で順に作品を見て回りました。

最初に現われたのは巨大なツリーのような作品です。「鉄で作られています。勇気のある方は作品の中へどうぞ」の声に誘われて中から見上げると、鉄でできた丸い輪が手をつないで、軽やかに舞い降りてくるようです。その楽しそうな様子に私も温かい気持ちになってきます。「ちょうど今、外からの光があたっている所があります」と言われ見てみると、光の当たったところは白く輝いています。今の時間だけ見られる美しさだそうです。

階段を上り、白い小さな部屋に入ると、どこからか匂いがしてきます。美術館の中で匂いが?と見回すと、高さの異なる台の上に、使い込んだ石鹸がケルンのように積まれています。「野枝さんは立山を見てこの作品を思いついたそうです」石鹸の清らかな匂いと鉄の組み合わせのせいでしょうか、その昔、山々を歩いた修験者の厳しさや、麓の村々に住む人達の日々の暮らしが浮かんでくるような気がします。

学芸員さんの穏やかな中にも新しい視点を投げかけてくださる言葉とともに進んでいくと、最後のコーナーで今までと全く違う作品が表れました。真ん中がくぼんでいて、まるで氷でできたベッドか、ひっくり返った白熊のような塊があります。唖然としていると「鉄ではなくて石膏で作られた新作です。野枝さんの作風が、変わったと思うかもしれませんが、この光を見てください」そう言われると真ん中に柔らかな光が集まっていて、命を大切にはぐくんでいるように見えてきました。

このツアーに参加して、野枝さんの作品から目に見えるものだけではなく、大気の動きや光や命、時の変化まで感じることができました。1人で見ていたら気づかずにいたことでした。素敵な時間を持つことができました。

 reoreo

白い石鹸の香り漂う中で

白い石鹸の香り漂う中で

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