2011年9月4日日曜日昼過ぎ、ヴェネツィアの「ペギー・グッゲンハイム・コレクション」を初めて訪れる機会に恵まれた。この日は伝統のレガータ(Regata Storica:英語風ではレガッタ)の日で連絡船(バポレット)は午後は運休。行きはまだ運行していたバポレットをアカデミア橋袂のサルーテで降りて、分かりにくい道を歩いて行った。
大運河(カナール・グランデ)をバポレットに乗っていると、サンマルコの少し手前の右側に良く目立つ建物なのだが、歩いて行くと狭い運河沿いのひっそりとした細い道沿いの塀に、小さな入り口が開いているだけだった。ヴェネツィアでは館の入口は運河側と路地側の両方にあり、運河側の方が立派なのだ。この館パラッツォ・ヴェニエール・ディ・レオーニは1748年に着工された未完の館で一階部分しかない。
入ってびっくりしたのは、夕方からのレガータ見物のためと思われる着飾った客が多数招待されていて、一般客が入っている美術館の中で軽食とワインのパーティーが催されていたことだった。伝統のレガータはすぐ目の前を通り、この美術館は見物には特等席なのだ。私立とは云え、まともな美術館を私的なパーティーに使い、しかも一般客も入れているとは、日本ではまず考えられないことだ。
招待客はほとんどイタリア人、多くが運河を船で直接美術館にやって来ていた。招待客はバッジを着けて一般客とは見分けられるようになっていたが、入り口近くの作品は人をかき分けて見るような状態だった。これはペギー・グッゲンハイム・コレクションだからなのかイタリアの美術館だからなのか、真相は分からなかったが、イタリア的光景におおいに驚かされた。
そういえば遙か昔、初めてヴェネツィアを訪れたとき、アカデミア美術館(記憶が定かではないが)に「人手不足のために休館」とあった。
写真説明
1. このアカデミア橋袂で連絡船(ヴァポレット)を降りて左手前に進む。
2. 大運河から見たグッゲンハイム美術館(公式ホームページより)。
3. 1の写真の橋の左手に回り込んだあたり、美術館は右奥。
4. 狭い道を進むとこの小さな入り口がある。
5. 美術館の入場券。
6. 美術館の中に入るとなんだか雰囲気が美術館らしくない。
7. このレガータ用貴賓席の前がゴール、美術館は左手かなり前方。
8. レガータ本番前の豪華な洋上行進。
旅ジロー
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