レンブラント展のギャラリートークに参加して

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor
作品を20倍に拡大したパネルを使っての解説

作品を20倍に拡大したパネルを使っての解説

 総会の後、講堂にて保崎学芸員から展覧会の主旨を伺う。70数名と参加者が多く、グループを二つに分けてギャラリートークを開始した。
 作品を20倍以上も拡大した掲示図の前で鑑賞のポイントを聞き、レンブラントの繊細で美しいエッチングの線による階調をじっくり見ることができた。光が溢れている場所から徐々に暗く闇に移っていく変化はまさに絶妙だ。作品「3本の木」では、図版ではわからないほどの微妙な陰影の中に人の姿を見いだすことができ、レンブラントの技量を垣間見る。
 油彩画の展示ではライティングの苦労話を伺った。LEDライトを2つ使って色温度を微妙に変えたことや「書斎のミネルヴァ」では左上から当たるようにしたことなど。他会場ではできない展示を甘受できたのはありがたい。
 2階の部屋はレンブラントハイスの壁面のように紅色。「ヘンドリッキェ・ストッフェルス」のやや哀しげな表情と画面の上の空いた空間に画家の彼女への思いを感じとることができた。V字の胸元から、首・顔にかけて光が広がっていくようだ。レンブラントの描く人物の表情は、強い表現ではなく心にじわっと響いてくる深い表情が特徴であることを再確認できた。
 100グルテン版画は今で言うなら200万円もする作品。高い金を払ってでもよい版画作品を買おうとする人々がいたということも当時の経済状況を感じさせてくれた。現代では規定の枚数を刷った版は使えないようにして版画の商品価値を保証するが、昔はいくらでも刷ることがあったようだ。和紙と洋紙との違いや、次々と版に加筆したり版を削って描き直したりした作品が並ぶ。芸術の追究をし続けたレンブラントのこだわりも見て取れた。エッチングの版が作品とともに展示されていて線描の繊細さについてよくわかった。
 丁寧な解説に心からお礼を言いたい。

会員 小林克敏

LEDライトに浮かびあがるミネルヴァ

LEDライトに浮かびあがるミネルヴァ

豊田市美事術館へのミニツアーの反省とお知らせ

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

 名古屋市美術館協力会行事として、6月19日(日)豊田市美術館「フェルメール<地理学者>とオランダ・フランドル絵画展」鑑賞会のミニツアーを開催いたしました。一部の会員様から、事務局からの案内が遅かったことや交通の案内が不十分であったことについて、ご意見をいただきました。名古屋市美術館協力会理事の佐々木様から下記の投稿をいただきましたので、ご紹介いたします。(協力会事務局)

 今回初めて豊田市美術館で名古屋市美術館協力会のミニツアーがあったが、お知らせに漏れがあったのは私の責任でもある。規定の時間に着くにはどんな電車に乗って駅からどれだけ歩くのかとの情報が案内にあるべきであった。豊田市美術館友の会委員であり、市の美術館の協力会理事である私としてはお粗末であった。ごめんなさい。
 前置きはともかく、豊田市美術館は美術館の案内でも地下鉄を利用する様になっているが、それでも行けるが、名古屋駅からだと、名古屋本線の特急に乗り知立まで行き、そこから三河線に乗り、豊田市で降りてそこから歩くこともできる。いずれでも、電車で最寄り駅まで1時間ぐらいである。名鉄のパックもあるし、豊田市駅からはフェルメールタクシーがあり、680円なので待ち合わせて乗っていけばいいのではないだろうか。美術館から駅までも同様である。豊田市美術館は名鉄に関していうと大々的に宣伝をしていてそのせいか何よりもいつもに比べて展覧会とお客さんに活気がある。
 フェルメールの「地理学者」は確かに一見の価値がある。同時開催の松井紫朗展もフェルメールと同じく8月28日まで開催だが、 シリコンラバーの作品も面白い。それと高橋節郎館は時間が無くとも私はたいてい行く。それと中に入っているレストラン七州もフェルメール特別ランチをやっているので、行きたかったが今回はお客さんが多いので、予約を取っていないとのことなので見送った。食事がおいしいので美術館に行く時は普通はランチ込みでの美術鑑賞をする。美術館の食堂というと学生食堂みたいな所が多い中ではおすすめです。
 従って、私達の家から行くと小一日の楽しい気晴らし,ミニ旅行になる。美術館友の会も一般3,000円、高校生大学生2,000円、一般会員の家族が1,000円で値打ちです。

名古屋市美術館協力会理事 佐々木剛志

「フェルメール(地理学者)とオランダ・フランドル絵画展-シュテーデル美術館蔵」鑑賞ミニツアー

カテゴリ:アート見てある記,ボギー鈴木 投稿者:editor

講堂での西崎学芸員によるレクチャー

講堂での西崎学芸員によるレクチャー

 6月19日、名古屋市美術舘協力会主催の「フェルメール(地理学者)とオランダ・フランドル絵画展-シュテーデル美術館蔵」鑑賞ミニツアーに参加した。会場の豊田市美術舘に各自現地集合。14:00頃より一階講堂にて学芸員による解説、その後自由鑑賞、自由解散。いささかアバウトな企画だ(苦笑)。岡崎市在住の私は、車で豊田市美術館へ。豊田市美術館友の会の会員でもある私にとっては、通いなれた道ではあるが、混雑を予想して9:50分頃駐車場に到着。「何だこれは!」。いつもは見ない、駐車場整理の人の数。もう既に8割近くが埋まっている。入り口に着きさらに驚愕。「何だこの人の列は!」。車で来ると聞いていた、Tさん、Iさん、電車で遠方から来るMさんに早く来るように、慌てて電話連絡をした。しばらくして、Tさん登場。レストラン支配人によると、11:00過ぎには満席になるとの情報。そこでTさんとレストランでティータイム。支配人の粋なはからいで、早めに昼食。我々と入れ違いで、会員のMさんと遭遇。これで一安心。しかし14:00まで時間がある。そこで、同時開催の「松井紫朗展」を見学。あいちトリエンナーレを思い出しながら、過去の作品群も鑑賞できる、お得な企画だ。
 その後、敷地内の茶席で抹茶を堪能。ミュージアムショップで図録を購入。それでもまだ14:00まで時間があるので、ガチャガチャをやることにした。ガチャガチャは2種類。マグネットとジグソーパズルで8種類のフェルメールの絵画。ジグソーパズルは別に枠を用意しないと完成しないので、すぐに使えるマグネットを選択。もちろん今回の目玉、「地理学者」も入っているし、あの「真珠の耳飾りの少女」も。ガチャガチャだけで一文書けるほど興奮したが、Tさんの協力もあって8種類すべてGetした。やっと14:00。参加者は30名ほどか。講師の豊田市美術館学芸員の西崎紀衣先生の話に聴き入る。スライドを使ったわかりやすい解説。シュテーデル美術館の沿革に始まって、オランダ・フランドル絵画の特徴、(地理学者)の魅力、17世紀のヨーロッパの気候と絵画表現(当時はかなり寒く、その影響で厚手の服を着た人物画や、凍った川で遊ぶ人を描いた風景画などなど)と凝縮された内容だった。解説会の後、各自展示室へ。会場内はかなりの混雑。個人的にはフランス・ハルスの「男の肖像」、「女の肖像」が観られたのが良かった。友の会の特典を活かしてまた来ようと思う。協力会としては初めての企画のミニツアーだったが、なかなか良かったのではないだろうか。若干のバタバタ感はあったが、協力会の役員、事務局、また、この忙しい時期に鑑賞ミニツアーを受け入れてくださった、豊田市美術館の皆様に感謝して、筆を置くこととしよう。

ボギー鈴木(会員)

2週続けて関西へ

カテゴリ:アート見てある記,ボギー鈴木 投稿者:editor

 5月29日(日)兵庫県立美術舘「芸術館の友の会」の行事、日帰りバス旅行に参加してきました。先週(22日)に続いての関西遠征です(苦笑)。04:40自宅出発→05:20JR岡崎→06:06JR名古屋、新幹線06:20→07:24新神戸、地下鉄07:38→07:40三宮、そこから徒歩で集合場所の神戸市中央区役所前に07:50に到着。集合時間は08:30。いつもながらの、綱渡りでした。
 今回のテーマは「東洋古美術の魅力」。訪問先は2館で、大阪南部、泉南地方の「正木美術舘」と「和泉市久保惣記念美術舘」。あいにくの雨、それも台風接近の影響で、暴風警報発令による、臨時休館だけが気がかりだが・・・。「正木美術舘」では、春季展「憧憬ー室町の風流」を鑑賞。鎌倉の常盤山文庫より出品の中国南宋時代の青磁と、正木所蔵の掛け軸が絶妙のコラボ。さながらプチ北山文化と言ったところか。学芸員の高橋範子先生の解説も好評でした。次の訪問先「和泉市久保惣記念美術舘」では、特別陳列「美を求めてー久保惣コレクションの名品ー」を鑑賞。観たかった重文「伊勢物語絵巻」を前に大満足。カフェのコーヒーはお菓子付きで何と200円。国宝級の安さでした。帰りにミュージアムショップで2007年開催の開館25周年記念 特別展「伊勢物語 雅と恋のかたち」のカタログを発見。知らなかった、こんな展覧会をやっていたとは。内容を知りさらに愕然。出品元が出光、根津、五島、三の丸、MOA、サントリーetc.。カタログが買えただけでもラッキーだと思い、無理やり溜飲を下げる。しかし、天気には恵まれなかったが、日帰り旅行の内容には満足している。友の会のアイドルのR・Kさんに久しぶり会えたし、他の会員の方にも非常にお世話になりました。同行の学芸員の西田桐子先生や友の会職員の高濱絵美さんの引率振りにも敬意を表したい。
 いつか名古屋市美術舘協力会と兵庫県立美術舘友の会の交流会ができたら良いなと、ふと考える今日この頃である。

ボギー鈴木(会員)