あいちトリエンナーレ勉強会Vol.12

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 2011年2月12日、旧ATカフェでトリ勉Vol.12が行われた。
今回は名古屋市美術館で展示されたジェラティン(Gelitin)とフランツ・ヴェスト(Franz West)について、名古屋市美術館の笠木学芸員をゲストに迎え、展示作品以外にも多くの作品のスライド、ビデオを見せてもらいながら話を聞いた。

 展示作品は一方が金属粉を使ったインスタレーション、他方が不定形な立体彫刻。一見するとタイプの異なる作品のようだが、どちらも1960、70年代のウィーン(オーストリア)の美術状況のみならず、精神的にアンビバレントな社会動向の影響を今でも色濃く反映しているのだそうだ。
 たしかに、上映されたスライドの中にはある種のノイローゼの症状にも似た行動を意図的に取り入れたと思えるものも含まれ、見ていて心地良いとは言い難い、刺激的な印象を受けるものが多かった。

あいちトリエンナーレ勉強会V12

あいちトリエンナーレ勉強会V12


 ゲストの話が終わり、会場からのQ&Aの中で次回のトリエンナーレにも期待しているという発言もあったが、トリエンナーレの掲げるカッティングエッジを表現する作品群には!もあれば??もあり、作品を前にして困惑することもしばしばだ。美術に限らず、革新的で時代を先取りしたものほど評価に時間を要することは理解しているつもりなのだが。

 ところで、納屋橋会場で上映された楊福東(ヤン・フードン)の《離信之霧/Dawn Mist,Separation Faith》、18台の35mm映写機がまるで舞台装置のように並んだ会場で、重なるスクリーンや他の観客の影に視界を遮られながら鑑賞したが、その制作の裏舞台を記録したドキュメンタリー映画の上映会+トークが2月24日、旧ATカフェで行われる。
 ゲストに名古屋市美術館の山田学芸員を迎え、裏舞台の様子や楊福東の作品についての話が聞けるそうだ。

『トリ勉』とは、
あいちトリエンナーレをきっかけに誕生したサポーターズクラブ有志によるトリエンナーレ勉強会のこと。

杉山 博之(協力会会員)

写真提供:あいちトリエンナーレサポーターズクラブ事務局
(開催日時、内容の変更があるかもしれません。参加される方はサポーターズクラブの公式HPもチェックしてください。)

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