ボランティアによるギャラリートーク

カテゴリ:美術館ボランティア 投稿者:editor

 『絵画と写真の交差』展では、会期中、ボランティアによるギャラリートークが開催されています。
ある日のその様子を少しご紹介します。

 一人目は、美人3人連れ立って来館されて、写真は撮るより撮られるほうよと笑顔の女性です。
「疾走する馬?確かに顔にもたてがみにもスピードを感じるけど…足は全然走ってない気がするわ」、疾走する馬』をご覧になっての第一声です。そして、隣の写真『ジャンプする馬』をご覧になって、「馬が疾走すると前足も後ろ足も揃えて飛んで、こうなるのよね」と納得されました。
 ホント!私も同感です。
 二人目は「モネが描いたこの場所、僕はここへ行ってきたんです」とおっしゃる男性です。最近プールビル(イギリス海峡に面したフランス北部ノルマンジー地方)へ行かれたようです。プールビルの様子を他のお客様にもお話して下さいました。「今年の名古屋市美術館はモネ『印象 日の出』展から始まって、見納めは『プールビルの断崖』。モネを堪能させて頂きました」と満足して帰られました。
 いつもご来館下さいまして、ありがとうございます。
来年も展覧会場でお待ちしております。

神谷 多恵子

(事務局注:ボランティアによるギャラリートークでは、展示室内で美術館ボランティアが来館者と一緒に話し合いながら鑑賞することで、より鑑賞を深めていただけます。『絵画と写真の交差』展ギャラリートークは12月11日で終了しました)

コレクション解析学 《陶器(スルバランによる)》

カテゴリ:コレクション解析学 投稿者:editor
コレクション解析学2009-2010の11月29日(日)の第4回講座に参加。
今回は福田美蘭の《陶器(スルバランによる)》という作品。この講座は名古屋市美術館学芸員による収蔵作品をさまざまな切り口から解説しその作家の全体像を紹介するもので、毎回楽しみにしている。
今回の講師は市美術館の清家学芸員で、興味深い話題満載でした。
17世紀スペイン絵画の巨匠スルバランの略歴に始まり、福田美蘭の絵の購入のきっかけとなった経緯を説明(1992年の「スペイン・リアリズムの美~静物画の世界~」展の時にあわせて開催された森村泰昌・福田美蘭によるスペイン静物画へのオマージュ展に出品された作品だとのこと)。それから福田美蘭の安井賞受賞作品の「グリーンジャイアント」の解説や彼女の作品におけるモザイク処理のエピソードなどおもしろい内容。
その場にいた人たちの笑いを誘ったのが女性二人を描いた彼女の作品。最初は何の絵か見当もつかず、変な絵だと思っていたら、その絵はルーヴル美術館収蔵のダヴィンチの「聖アンナと聖母子」の絵を元に、その中に描かれている幼子イエスの視点から描くとどんな絵になるのかと想像して描いた作品。とてもユニークだ。またボッティチェッリの「春」を西風ゼフュロスの視点からみた絵を描いた作品。振り返っているフローラがなんともかわいらしい。さらに、葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」では右と左を反転させて描いた作品。彫師たちはこの構図を見ていたのだろうと私たちに考えさせる作品。現代美術でありながら過去の時代背景をも取り込んでいる。
あらためて現代作家はあらゆるアプローチを駆使して自分の芸術性を高め表現していくことを理解させられた今回の講座でした。担当者の熱意あふれる解説であっという間の100分。今回は特別に福田美蘭さん提供の図録までいただきました。
市美術館のこの講座、絵のさまざまな見方の知識が増えて楽しいですよ。みなさん、ぜひ参加されることをお勧めします。
谷口 信一